将来に備えてコツコツ貯蓄をしているものの、今の時代の金利では、お金が増えることは限りなくゼロに近い。せっかくならお金が増える可能性がある「投資」にも挑戦してみたい。でもリスクがあるのはちょっと怖い……。
そもそも、貯蓄や投資による資産管理はどれくらいの金額から、何をどういうバランスで始めればいいの? お金を管理するうえで大事なポイントは「使う」「守る」「増やす」の3つの意識とバランスです。
「使うお金」は病気や転職などイレギュラーな事態に備えるお金で、“流動性”が求められます。必要なときにいつでも引き出せるように普通預金に、生活費の3〜6ヶ月分を確保できるとい良いでしょう。
「守るお金」は、住宅ローンの頭金や子どもの教育費用など、すぐには使わないけれど10年以内に必要になるお金です。元本を減らさない“安定性”が求められるので、定期預金や個人向け国債などによって確実に貯めることをおすすめします。
「増やすお金」は老後の資金など、10年以上先まで使う予定のないお金のこと。一時的に減ることがあっても増やすことも期待できる“利殖性”があると良いので、多少のリスクを含んだ投資が向いています。
資産管理をするにはこの3つの視点で、いつ何に使いたいお金なのかを考える必要があります。今すぐ使いたいお金には投資は向かないけれど、将来に備えるお金には投資と相性が良いでしょう。
投資による資産運用は、「使うお金」と「守るお金」を確保したうえではじめるのがベスト。つまり、生活費の3ヶ月〜6ヶ月分を貯蓄し、10年以内に必要なお金は使うタイミングまでに定期預金などによって貯まる仕組みをつくる。その上で、余剰金を投資に回す。
たとえば、手取り月収30万円、生活費25万円、貯蓄100万円の独身男性であれば、生活費の4ヶ月分はすでに確保できているので、月3万円を貯蓄して、月2万円は投資に回す。同じ金額でも主婦の場合、子どもの学費がかかる時期などを考慮して、投資は月1万円に抑えるなど、コントロールします。
投資は景気に連動しながらゆらゆら揺らしていくものなので、その時確実に必要なお金を充ててしまうと、使う時期と景気が良くない時期が重なれば損をすることになります。たとえ少額でも10年以上流しておける余裕が必要です。
損をしにくくするためには、できるだけ早い時期から、10年を超える長期スタンスで少額から投資をはじめること。現時点で生活費の3〜6ヶ月分の貯蓄がないと投資がはじめられないというわけではないんです。
今貯金がなくても、先の例で月5万円の余剰金うち、4万円を貯蓄にし、1万円を投資に回していくというやり方もあります。月4万円貯蓄できれば、1年で48万円、2年で96万円となり、生活費の3ヶ月分以上になります。先を見越して運用をはじめてもいいでしょう。
<監修> 風呂内亜矢(ファイナンシャルプランナー)
<ライター> 徳留里香
<提供> お金のデザイン
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