今回は、投資をはじめる際に基本となる、代表的な金融商品「株式」と「債券」について解説していきます。
企業や国が資金を調達するために、投資家からお金を集めるという手段である点は同じですが、株式と債券の性質はまったく異なるものなんです。
株式は、企業に対する「出資」です。株式を買うということは、その企業の出資者であるオーナー=株主の一人になるということ。
投資の成果として、会社の収益が上れば、株式を持っている間は「配当金」をもらうことができますし、株価が上がった時に売却することで大きな利益を得られる可能性もあります。でも逆に、会社の収益が下がれば、株価(人気)が下がり、元本を割ってしまう危険性もあるんですね。
株式投資は、企業の未来に対する出資で、売買等によって株価は毎日変動しているため、投じたお金が増えるか減るかはわからないんです。
一方、債券は国や地方公共団体、企業、外国の政府や企業などがお金を借りるために発行する券です。債券を買うということは、国や企業に「お金を貸す」ということ。
「いつからいつまでお金を貸してください」という期限付きの券なので、約束された期限が来たら基本的には満額返ってきます。お金を貸している間は利息として「クーポン」が発行されます。基本的には元本は減りませんが、万一お金を貸している国や企業が潰れてしまうことがあれば、返ってこなくなる危険性もあります。
債券は満期日を迎える前に、途中で売ったり買ったりすることができます。そうした場合は市場金利などの影響をうけて価格も変動します。
同じ投資でも、株式と債券は、出資をするのか、お金を貸すのか、その性質がまったく異なります。では、投資におけるそれぞれのリスクとリターンはどうなんでしょう?
株式は、投資した企業の成長にかかっているので、元本を割るリスクがある分、大きなリターンを得る可能性もあります。
一般的に、債券のほうが値動きは少なく元本も満期日が来れば償還されるので、リスクは低くなります。逆に大きな儲けも出にくい。収益性が低く、安全性の高い金融商品と言えます。
ただ株式も債券も、発行元の信用力によってリスクの大きさが異なります。例えば、日本が破綻することは考えにくいため、日本が発行する「個人向け国債」は安全性が高いと言えるでしょう。
株式であれば経営状態を評価するいくつかの指標、債券であれば格付け会社によるランク付けなど評価の指標があるので、それらを見極めて判断する必要があるんですね。
<監修> 風呂内亜矢(ファイナンシャルプランナー)
<ライター> 徳留里香
<提供> お金のデザイン
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