漠然と「投資は怖い……!」という気持ちを抱いている人も多いでしょう。しかし、押さえることを押さえておけば、想定外が起こることはあまりありません。投資をするうえで押さえるべきポイントは、金融商品のリスクを知ること。そのために、今回は「リスクの種類」についてお話していきます。
投資における金融商品のリスクには、「信用リスク」「価格変動リスク」「為替変動リスク」「カントリーリスク」などがあります。
信用リスクは、株式や債券の発行元となる国や企業が経営状態の悪化や破たんにより、元本が割れたり、配当金やクーポンの支払いが滞ったりするリスクのこと。信用リスクを知るためには、格付け会社が評価してランク付けした「格付け」や株式会社のIR情報などをチェックします。
価格変動リスクは、金融商品は常に価格が変動するため、会社や世の中の景気によって、売却したときの価格が購入したときの価格よりも、上回ることもあれば、下回るリスクもあること。債券に比べて株式は特にその振り幅が大きくなる可能性があります。投資信託も、組み合わせている金融商品の価格変動の影響を受けます。
為替変動リスクは、外国の通貨で取引される外貨建ての金融商品は、日本円と交換する際外国為替レートの変動による影響を受けることなどを指します。金融商品を購入した時より円高になれば、円での手取り額は減り、逆に円安になれば円での手取り額は増えることになります。
カントリーリスクは、投資先を日本国内から、先進国、新興国と海外へと広げる場合、その国の政治状況や経済状況などの変化によって生じるリスクのこと。国ごとの信用リスクを評価する基準として、格付け会社による「カントリーリスク情報」が参考になります。
投資対象になる資産の分類である「アセットクラス」は、基本的に大きくは6つに分けられます。
横軸には「株式」か「債券」か。厳密には、不動産や金など「現物資産」と呼ばれる「その他」が存在します。縦軸には「日本国内」か「先進国」か「新興国」か。
日本国内 | 先進国 | 新興国 | |
---|---|---|---|
株式 | 国内株式 | 先進国株式 | 新興国株式 |
債券 | 日本国債券 | 先進国債券 | 新興国債券 |
一般的には、債券より株式のほうが「価格変動リスク」が高くなります。日本国内より先進国のほうが「為替変動リスク」が高く、さらに先進国より新興国のほうが「カントリーリスク」が高くなります。
どこ(国・地域)の、何(商品)に投資するかによって、抱えるリスクの度合いが変わってくるのです。
ただ、日本国内の株式であっても、投資先の会社が海外と取引をしていたら「為替変動リスク」や「カントリーリスク」と無縁とも言えません。投資をする際は、自分が買おうとしている商品がどんなリスクを抱えているのかを知ること。そのうえで、リスクを取るのか、回避するのか、購入する商品とその組み合わせを検討していきましょう!
<監修>
風呂内亜矢(ファイナンシャルプランナー)
<ライター>
徳留里香
<提供>
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