株式や債券、投資信託にロボアドバイザー……投資によって資産運用をするにも、さまざまな選択肢があります。
資産運用において大事なことは、金融商品の種類を理解して、リスクをコントロールすること。今回は、リスクをコントロールするための資産運用のコツをお伝えしていきます。
投資を始める人にありがちなのが、自分が勤めている会社や同じ業界の株を買うこと。でもそれは、給与の出処と資産が同じということなので、たとえばもし会社が倒産するようなことがあったら、給与も出ない資産もなくなる、といった状況に陥ってしまう可能性もあるのです。
自分が勤めている会社や業界の株を買うということは、同じリスクを抱えることになります。詳しいからこそ買うという判断もできるけれど、万が一の時に備えて、給与の出処と資産形成におけるリスクをあえて分散するという判断もあります。
年齢が若いと、運用する資産もないし投資なんてできないよ、と思われるかもしれません。でも年齢が若いということは、これから働き続けることのできる期間が長い、ということなので、目にはみえないけれど「人的な資産」を持っていることになります。
若い人はハイリスク・ハイリターンの「株式」を中心に、60歳を超える方は安定性の高い「債券」を中心とした運用がおすすめされるのは、若い人には人的な資産があるからなんです。これから働いて得られる収入の累積を考えると、投資でリスクを取りやすい、と。
ロボアドバイザーがあなたにあった金融商品の組み合わせを考えるときにも「年齢」は、ひとつの鍵になります。自分の年齢、これからどれだけ働けるかによって、リスクの許容度が変わることを把握しておくと金融商品も選びやすくなるでしょう。
資産運用をひとつの金融商品のみで行うのは、自分の狙うリスク度合いに調整することが難しいかもしれません。資産を株式だけで運用しよう、投資信託だけで運用しよう、とひとつに絞るのではなく、コアとサブ(サテライト)に分けた視点で考えてみましょう。
例えば、投資対象として株式は魅力的ですが、保有銘柄の業績をしっかり把握し続けるのは大変です。本当にメインとなる大きなお金を動かすのには向いていないかもしれません。
投資信託だと自分が1つ1つ選別して購入しない点が退屈に感じるかもしれませんが、自動的に分散投資できるため、コツコツ積み立てて最終的にある程度まとまった金額を運用していく対象として向いています。ロボアドバイザーも、診断結果をもとに、自動的に、リスクを分散しバランスを整えてくれます。
投資信託やロボアドバイザーをコアとして、株式をサブとするなど、商品1つ1つの特徴や魅力だけでなく、自分が期待する役回りを与えて選ぶと管理しやすくなります。
リスクが高い商品でも1000円しか買わなければ、通常失うお金は1000円で、リスクは金額でコントロールすることもできるので、趣味的に株式投資を楽しむのもいいかもしれません。株式は、ある程度知識も必要で、株の値動きなどを常に追っていかなければならず、手間もかかるため、株式だけで個人が大きな資産を運用することはなかなか難しいと思います。
株式をやってみたい!とい人は、株式はサテライト的な位置づけにして、長期的な資産形成は投資信託やロボアドバイザーにお任せするという「コアサテライト戦略」がおすすめです。
<監修>
風呂内亜矢(ファイナンシャルプランナー)
<ライター>
徳留里香
<提供>
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