※2019年7月1日に作成された記事です。

住宅ローンを検討する際、返済方式(元利均等か元金均等か)に加えて、期間と金利のタイプを選択します。何をどう選ぶかによって、月々の返済額や総返済額が変わってくるので、それぞれの家庭の収入やライフスタイルによって、適切なものを選んでいきましょう。

変動金利と固定金利

金利には大きく分けて、固定金利と変動金利の2種類があります。

固定金利は、借入時から決められた期間まで、金利が固定されます。景気が変動して、将来金利が上がった場合でも、借入時の金利に固定されたまま変わらないので、安心感があることが何よりのメリットになります。変動金利に比べれば、金利は高いけれど、その差額は、将来金利が上がるリスクに備えて支払う保険料のようなものですね。

変動金利は、借入期間中、半年に1回、適用される金利が見直されます。とは言っても、実際に月々の返済額が変わるのは5年ごと。固定金利に比べて、金利は低く設定されていますが、将来金利が上がれば返済額が増える可能性もあります。

5年ごとに見直される返済額の増加は125%までというルールがあるので、返済額のアップにはある程度の上限があります。でも、その分いずれ払わなければいけない利息は返せていない状態になることも。返済が進まず融資の満了期間を迎えると、未払いの利息をまとめて返すことになります。

例えば、4000万円を35年ローンで借入する際、固定金利が1%、変動金利が0.5%の場合。

固定金利の総返済額=約4740万円
変動金利の総返済額=約4360万円

約380万円の差が生まれます。この金額を、将来金利が上がるリスクに備える保険料として捉えられるかどうかで、固定金利か、変動金利かを判断することになるでしょう。また、返済途中で繰り上げ返済などを行うことで、この総返済額の差を縮めることもできます。

超低金利時代は、固定型が安心

金利は、主に「全期間固定金利型」と「変動型」、その間となる「固定期間選択型」の3つのタイプに分かれます。

固定期間選択型は、固定金利の期間が3年、5年、10年と選択でき、その期間が過ぎると変動金利や再度固定期間を選択するなど判断をすることになります。固定期間が長くなればなるほど、金利は高くなる代わりに、変動するリスクは低くなります。

変動型を選択して、金利が上がった時点で固定型へ変更することもできます。ただその時点では、固定型の金利も上がっているので、金利の動向をリサーチしておくことが負担にならない人でなければ、好機を見つけることが難しいかもしれません。変動金利で借りつつも、固定金利で借りた場合との返済額の差額を貯蓄しておくことで、金利上昇時にはそのお金で繰り上げ返済を進めるという方法も対策の1つと考えられます。しかし、いずれにしても変動金利は自分でしっかり戦略をたてたり、リサーチを続けられる人向けの金利プランといえます。

予想以上に長く続いている超低金利時代、これから金利が上がるリスク、市場動向をチェックする手間を考慮すると、一般的には全期間固定型が無難な選択と言えるでしょう。

<監修>
風呂内亜矢(ファイナンシャルプランナー)

<ライター>
徳留里香

<提供>
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