公的年金として、国民年金(基礎年金)のみに加入する自営業者は、厚生年金保険に加入する会社員や公務員に比べて、現役世代における遺族年金や障害年金の保障は手薄で、老後にもらえる年金額も少なくなってしまいます。
足りない分は今から「私的年金」で補っておきたい!という方に、おすすめの制度等をご紹介します。
自営業者がNISAやつみたてNISA、iDeCoよりも先に、あるいは並行で検討すべきは、「付加年金」と「小規模企業共済」です。
付加年金とは、国民年金にひと月400円の付加保険料を支払うことで、将来の老齢年金受給額が上乗せされる制度です。納付月数×200円分受給年金が増えるのです! たとえば、35歳から60歳までの25年間(300ヶ月)付加保険料を払い続けると、受給年金額が年間6万円増えることになります。月々支払ってきた付加保険料は400×300ヶ月=12万円ですが、2年間受給するだけで元がとれちゃうんです! 以降は6万円上乗せがされ続けるので、とってもおトク!
小規模企業共済は、確定拠出年金同様に、掛け金が全額所得控除になる制度です。掛け金は、月額1,000円から7万円までを500円単位で決めることができます。運用は中小機構に任せることになりますが、運用に手間をかけたくない人にはメリットになると思います。20年以上加入した場合には、元本も確保されます!
毎月16,340円(2018年度)かかる国民年金の保険料ですが、前払いにすることで、その期間に応じて割引が適応されます!
具体的には、当月末振替にしただけで50円、半年前納で1,110円、1年前納で4,110円、2年前納で15,650円が割引されます。2年前納の場合、1回の納付額が377,350円と高額にはなりますが、払い続けることを考えると15,650円の割引は大きい!
年金事務所へ申出書を提出すれば手続きができます。前納したい期間に応じて2月や8月に手続きの締め切りがありますので、前納を検討される方はお早めに!
また、年金の受給に関しては、70歳まで受け取り開始時を遅らせること(繰上げ受給)で、1ヶ月ごとに0.7%の増額になります。70歳まで繰り下げれば、60ヶ月×0.7%で42%の増額に!これは自営業のみならず、公的年金を受取る会社員や公務員も活用できます。
<監修>
風呂内亜矢(ファイナンシャルプランナー)
<ライター>
徳留里香
<提供>
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