※2019年4月1日に作成された記事です。

預貯金や債券、金融商品などに付いてくる「利息」。その計算方法には、「複利」と「単利」の2種類があるということ、知っていますか? 同じパーセンテージでも、複利か単利かによって、利益率が変わってくるのです!

「単利」と「複利」の違いは?

単利は、「元本のみ」に利息が発生します。

たとえば、単利で利息1%、50万円の金融商品を買った場合、1年目の利息は5,000円。2年目も元本50万円を元に計算するので利息は5,000円、2年間持ち続けた利益は合計1万円になります。

一方、複利は、「元本+利息」に利息が発生します。

上の例と同じように、複利で利息1%、50万円の金融商品を買った場合、1年目の利息は5,000円。2年目は元本と利息を足した50万5,000円に1%の利息がつくので5,050円、2年間の利益合計は10,050円になります。

2年間では少しの差でも、複利は長く持てば持つほど、どんどん雪だるま式に利益が増えていく「複利効果」で、利息に差が生まれてきます!

たとえば、元本50万円を年利1%で30年持った場合。

単利:元本50万円+利息150,000=65万円
複利:元本50万円+利息174,425=67万4425円

単利より複利の方が2万円強、利息が高くつくんです!

単利か複利か、金融商品を選ぶときに要チェック!

金融商品にも単利と複利のものがあります。

預貯金・定期預金は複利で計算されています。ただ、金利0.01%程の今の日本において、雪だるま式に増える「複利効果」は期待できません。

ちなみに、クレジットカードのリボ払いも、複利の仕組みで計算されるため、返金が遅くなるにつれ、返さないといけない額がどんどん膨れ上がってきます。

複利は、長く貸せば貸すほど得をして、長く借りれば借りるほど損をするんですね。

債券の利息や株式の配当は、単利"的"と見ることができます。たとえば、国債は年に2回、単利で計算された利子を受け取ることができますし、通常株式も配当金は当初に自分が購入した株式の口数に応じて計算されます。
投資信託は、単利"的"なものと複利"的"なものがあります。たとえば、毎月分配型の投資信託は、単利的と言えます。分配金を受け取った次回の分配金は、残った運用金額をベースに配当金が計算されます。一方、分配金を受け取らない投資信託の場合、運用で増えた金額もさらに運用に回るため、運用益が次の運用益を生み出す原資になると考えることができます。投資信託は預貯金や国債のように、複利の利息を約束するものではありませんが、複利的な効果を期待するのであれば、こまめに分配金を出すものではなく、配当金のないタイプの商品を長く持つのが良いでしょう。

「単利」と「複利」。見落としがちですが、長く持てば持つほど利益に差が出るので、金融商品を選ぶときは、ぜひチェックしてみてください!

<監修>
風呂内亜矢(ファイナンシャルプランナー)

<ライター>
徳留里香

<提供>
お金のデザイン

OTHER COLUMN